
Brazil, Caparaó, Espírito Santo
ブラジル カパラオン、エスピリトサント
2020年1月23日 | ハンプス・マルクッセン著

B世界最大のコーヒー生産国であるブラジル。世界で消費されるコーヒーの実に約3分の1を供給するこの広大な国は、コーヒー業界において決して新参者ではありません。
しかし、その生産現場はサステナビリティ(持続可能性)とはかけ離れているのが現状です。多くの農園が単一栽培(モノカルチャー)を行っており、コーヒー以外の多様な生命が息づく環境が残されていません。作物は農薬に強く依存し、市場価格の低迷に伴って農園には絶え間ない効率化が求められています。利益を残す唯一の手段が「一株から限界まで絞り出す生産」となっており、環境への負荷は限界に達しているのです。


「急傾斜の山肌と小規模な農園——ここでは今も、手作業による丁寧なコーヒー栽培が行われています。」
私たちのプロジェクトは、リオデジャネイロから北へ車で約7時間の場所に位置する、カパラオ山脈やエスピリトサント州の山岳地帯を中心に展開しています。この地域は傾斜が急で小規模な農園が多いため、機械化が難しく、世界各地の高品質なスペシャルティコーヒー産地と同じように、ひとつひとつ丁寧な手作業で栽培されています。
農場は家族経営が中心で、地域が一体となって協力しながら作物を育てる温かなコミュニティです。しかし一方で、生産者たちは厳しい現実に直面しています。厳しい山岳地形ゆえに手作業の負担が大きく人件費もかさむため、大規模機械化が進む国内の他地域との価格競争で苦戦を強いられているのです。さらに、年間を通じて雨が多い特殊な気候条件も重なり、コーヒー豆の乾燥プロセスが大きな課題となっています。

「ピコ・ダ・バンデイラ山の斜面には、共に素晴らしいコーヒーを育てる農家の仲間たちがたくさんいます」
だからこそ、この地に拠点を置くことこそが、最も大きなインパクトを生み出せると確信しています。私たちは10ヘクタールの自社農園を中心に近隣の農家の方々と固く連携し、地域のお手本となるモデルファームの運営と、最初の精製施設(ウォッシングステーション)の建設を進めています。
具体的な場所はカパラオ、より詳しく言えばアルト・カパラオという地域です。標高2,890mを誇るピコ・ダ・バンデイラ山の斜面に位置し、山脈の標高900m〜1,500m付近には、私たちと共に手を取り合うたくさんの農家の友人たちが暮らしています。
この地ならではの豊かなマイクロクライメイト(微気候)のおかげで、カパラオやエスピリトサントでは8月から11月にかけての「遅めのシーズン」に収穫が行われます。この独特な自然環境が、他にはないまったく新しい可能性と、驚くほどユニークな味わい(フレーバープロファイル)を生み出してくれるのです。これこそが、私たちが情熱を傾け、探求し続けたい挑戦そのものです。


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